[ファミリーコンステレーション]あなたの運命が本当に変わる心理学(棚田克彦 著)を読んで


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そこにはただ愛があるだけ

カウンセラーを目指すにあたり、様々なワークショップやセミナーに参加することがあり、ファミリーコンステレーションのようなものを、あたし自身、拝見したり、その場に立たせてもらったことがあります。そしてこの本書を読んでやっぱり思うのは、愛がそこにはある、誰も愛してないなんてそんなことはないんだなっていうこと。
愛があるからこそ、もつれてしまう。そしてそれが幸せになることへの罪悪感だったり、いつものパターンになってしまったりする。そこにどう気づいていくか、ということが、あたしたちにとって大きな学びにもなっていくんじゃないか、とあたしは思うのです。

本当は幸せになるために生を受ける

今回本書を読んで感じたことは、秩序立った地球という世界で1人1人自分の運命を背負い、選択して生きて欲しいという、大きな意志があるんじゃないかな、ということ。
それを特に感じたのは、家族の秩序を守る法則、という項目を読んだときでした。
その法則は4つ。「所属の法則」、「ランクの法則」、「ギブ・アンド・テイクの法則」、「運命の法則」です。

「所属の法則」は、家族(集団)のメンバーは皆、その一員として、家族に所属する権利を等しく無条件に持っている、というもの。
「ランクの法則」は、家族(集団)の全てのメンバーは、自分の所属する家族内で、この世に生を得て家族の一員となった時間の順番に従って順序付けされる、というもの。
「ギブ・アンド・テイクの法則」は家族のメンバーが他者との間で与えたり、受け取ったりした利害は、その本人によってギブ・アンド・テイクの不均衡が回復されない場合、同じ家族に所属する子孫によってバランスを取り戻さなければならない、というもの。
「運命の法則」は、誰もが皆、自分の運命を背負うことができる。そして、自分自身の運命しか背負うことはできない、というもの。
そういった法則を踏まえて、秩序立った世界が作られていきますが、家族という世界で育つ上で、あたしたちは色々な勘違いをして生きています。
それはこの世に生まれてくる上で設定してくる前提なんじゃないかなとあたしは思ったのです。
”小さな子どもの個人的良心は「両親とつながるため、愛されるためには、何をすべきで、何をすべきでないか」というルールを全力で学習します”と本書にあるのですが、
小さな子供、しかも赤ちゃんの頃からそうやって愛されるためにどうするかということを全力で学習するのです。
経験もない小さな子供。様々なものから選択する、という考えすら浮かびません。多角的に検討する、なんてできるわけもない。
赤ちゃんの視点になってみてください。
あたしたち大人と比べたらすごく低い視点。そんな視点から物事をみたら当然偏りだって出てきてしまいます。
子供の頃、お母さんやお父さんはすごく怖かった、とか。いつも喧嘩ばかりしていた、とか。あたしたちが小さな頃に感じていたこと、思っていたことも、後から聞けば実は2人はそう思っていたわけではなかったり、とあたしたちが勝手に勘違いしていたことがとても多いです。
でもそこから学んだこと、得たこと、知ったことは色々あるはずです。
それは見つめ返すと、自分自身の価値観に繋がっていくかもしれません。動機になるのかもしれません。大切なもの、守りたいものを見つけるかも、しれません。
それは家族という世界がなければ得られなかったもの。そして、気づき、学び直すことで自分自身が活用できるものにすることを、大いなる存在は望んでいるのではないか、と感じたのです。
それこそ、あたしたちは、本当は幸せになるために生を受けた、はず。そして、その歩みを進めていくのは、他の誰でもない自分自身なのです。

まとめ

無駄なものは何一つなく、無視していい存在もいない。1人1人が自分の人生に責任を持ち、選択し生きていくこと。
それを無視してしまうからこそ、もつれが発生してしまう。
でも、それを知らせてくれるのが、罪悪感や苦しみ、悲しみ、いつものパターン、違和感、などです。
幸せになれるからこそ、教えてくれている。本当はそうじゃないよ!って知らせてくれています。
個人ではとても解決できないもつれは家族から引き継がれたもつれなのかもしれません。
でも決して家族が、誰かが悪いわけではないこともこの本は教えてくれます。
自身を、そして家族を見つめ直してみたい方に本書はお勧めです。

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